祖母の趣味
旅行のこと
祖母は旅行とカラオケが何よりの楽しみだったのだと思う。
国内旅行は年に1、2度は必ず行っていたし、家にはカラオケの機械があって、よくご近所さん10人くらいで料理を持ち合い、夜遅くまでカラオケ大会をしていた。
私が小学生だった頃、祖母は60代後半だったが、特に旅行の前後は顔からワクワクが溢れていた。
祖母の旅支度はとてもシンプル。
小さなボストンバッグを1つとハンドバッグを1つ。旅慣れている人の荷造りは素早い!
イギリスにこんな格言がある。
『貧しい旅行者とは、荷物をたくさん抱えている人のことをいう。』
荷物が多いと旅行そのものが楽しめないというような意味で、人生にも同じことが言えるというわけである。
今になって思うことだが、
祖母は『豊かな旅行者』だった。
生きていることがとても楽しそうだった。
新しいことが好きで、好奇心旺盛な人だった。
サッカーワールドカップのフランス大会の時は、家族が全員寝静まっている中、電気も点けず1人試合観戦をしていた。
(トイレに起きたので気付いた。)
祖母がサッカーに興味があるなんて知らなかった私は本当に驚いた!
それから、祖母の甥がタイ人と結婚することになり、タイでの披露宴に呼ばれ勇み足で海外旅行に行ったこと。
当時、70歳オーバー!
海外旅行に味を占め、翌年は中国旅行へ。
とにかく楽しく旅の思い出を話してくれて、
また中国に行きたい!他の国にも行きたい!
なんて(笑)
まるで冒険家のような祖母。
祖母の心はいつも、前へ前へと向かっていた。
0コメント