2018.03.19 15:00祖母の背中いつも元気で、鼻歌を歌いながら家事をしていた祖母が82歳の夏に旅立ってしまった。 離れて暮らしていた私が帰省すると、『結婚はまだか?』と毎度迫る祖母でした。 ついに結婚の報告をすると、『よかった、よかった』と、うれしそうに笑う祖母がとても愛おしかった。夫と私が入籍したわずか10日後に祖母は逝きました。生きているうちに入籍できて、本当によかった。 私は形見分けに財布と革...
2018.03.14 15:00祖母の趣味旅行のこと 祖母は旅行とカラオケが何よりの楽しみだったのだと思う。 国内旅行は年に1、2度は必ず行っていたし、家にはカラオケの機械があって、よくご近所さん10人くらいで料理を持ち合い、夜遅くまでカラオケ大会をしていた。 私が小学生だった頃、祖母は60代後半だったが、特に旅行の前後は顔からワクワクが溢れていた。 祖母の旅支度はとてもシンプル。小さなボストンバッ...
2018.03.09 15:00祖母の針仕事針仕事のこと 祖母の針運びは今思い出しても見事だった。一定のリズムで、チクチク・チクチク同じ幅に針を刺していく。 大正生まれの祖母はよく私にぼやいていた。『おまえはいいなぁ、ちゃんと学校に行けて。』8人兄弟で長女の祖母は、家の仕事の手伝い、弟と妹の世話であまり学校に行けなかったそうだ。〝もっと勉強したかった〟という言葉は祖母の口癖で、その後は必ずこう続く、『だから洋裁の勉強だけ...
2018.03.05 15:00祖母の掃除掃除のこと『全部掃き出してからね。』幼い頃、私が朝の忙しい時間に祖母を呼ぶと必ずこう返ってきた。共働きの両親に代わり、幼稚園の送り迎えは毎日祖母がしてくれた。園バスが来るのが9時頃だったので、私はそれまで幼児番組を見ていた記憶がある。孫のテレビタイムは、祖母の家事タイムであり、いつも忙しなく動いていたのを横目で見ていた。私の実家は100平米ほどの平屋で、部屋数は台所と居間+4部屋。今風に言うと4D...
2018.03.01 15:00片付けのはじまり18歳で大学の近くに一人暮らし。私が初めてアルバイト代を貯めて買ったのが、ベッドフレームとスプリングマットレスでした。赤味がかった木のフレームが2万円マットレスが1.5万円 くらいのお値段。学生にとって3万5千円というのは大金であり、いろいろ検討してやっと手に入れたという代物でした。大学では油絵を描いていたので、絵の具やらキャンバスやらにとにかくお金が奪われました。洋服やバッグやその他に回す余裕は...